2011年4月13日水曜日

【転載】福島原発事故、最悪「レベル7」に引き上げ チェルノブイリ並み

2011.4.12 09:20

小型無人ヘリが撮影した福島第1原発3号機の原子炉建屋=10日(東京電力提供)
 東京電力の福島第1原子力発電所の事故で、政府は12日、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、国際的な基準に基づく事故の評価を、最悪の「レベル7」に引き上げることを決めた。「レベル7」は、旧ソビエトで25年前の1986年に起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価。原子力安全・保安院が同日、原子力安全委員会とともに記者会見し、評価の内容を公表する。

 原子力施設で起きた事故は、原子力安全・保安院が、原発事故の深刻度を示す「国際評価尺度(INES)」に基づいて、レベル0から7までの8段階で評価している。

 原子力安全委員会はこれまでに、福島第1原発からは最大で1時間当たり1万テラベクレル(1テラベクレル=1兆ベクレル)の放射性物質が、数時間にわたり放出されたと試算していた。安全委では、現在は同1テラベクレル以下になったとしているが、INESの評価では、放射性のヨウ素131換算で、外部への放射性物質の放出量が数万テラベクレル以上である場合はレベル7に当たるとしている。

 原子力安全・保安院は、福島第一原発の1号機から3号機について、先月18日、32年前の1979年にアメリカで起きた、スリーマイル島原発での事故と同じレベル5になると暫定的に評価していた。ただ、これまでに放出された放射性物質の量がレベル7の基準に至ったため、評価を見直すことにした。



「国は事故を過小評価」専門家から批判の声も
読売新聞 4月12日(火)20時20分配信

 福島第一原子力発電所の事故の国による評価は、事故発生直後の「4」が3月18日に「5」に、そして20日以上たった4月12日になって最悪の「7」に変わった。専門家からは「国は事故を過小評価しようとしてきたのではないか」との批判の声も上がっている。

 原子力安全委員会が12日に公表したデータによると、外部に放出された放射性物質の大半は、1~3号機で核燃料が全露出し、1、3、4号機で水素爆発や火災が相次いだ3月16日頃までに放出されていた。

 2号機で圧力抑制室が損傷した15日には、フランス原子力安全局と米民間機関「科学国際安全保障研究所」が相次いで「レベル6か7」との見解を公表したが、保安院の西山英彦審議官は「外部への放射線量は健康にかかわるものでない」と主張し、見直す姿勢は見せなかった。

 しかし、18日には国際世論に押されるように「5」に変更した。西山審議官は「各号機とも圧力や温度などが大きく変動し、評価が難しい状況だった」と弁明。その後は「6にするには早い」と繰り返してきた。


<福島第1原発>2号機汚染水移送始まる 高濃度を復水器へ毎日新聞 4月12日(火)21時13分配信

 東京電力は12日午後7時半すぎ、福島第1原発2号機のトレンチ(トンネル)にある高濃度の放射性物質を含む汚染水を、タービン建屋内の復水器に移送する作業を始めた。

 高濃度の汚染水は1~3号機で合計6万トンと推定され、2号機の汚染水(約2万トン)からは1時間当たり1000ミリシーベルト以上という非常に強い線量が検出されている。東電はこの汚染水を復水器と集中廃棄物処理施設(集中環境施設)に移す計画で、まず、トレンチの立て坑に設置したポンプでくみ上げ、ホースで復水器へ送る。

 11日にホースに亀裂が確認され、作業が延期されていた。復水器の容量は3000トンだが、東電はまず700トンを移送し、漏水などがないかを点検する。

 また、11日夕方に発生したマグニチュード(M)7.0の余震で中断していた1号機の原子炉格納容器への窒素ガス注入は同日中に再開。注入量は12日午後5時までに3500立方メートルとなった。

 経済産業省原子力安全・保安院は12日、11日のM7・0の余震で2号機の使用済み核燃料プールの水位が下がり、水温計が使えない状態になったことを明らかにした。「燃料は水中にあるとみられ、環境への影響はない」としている。【山田大輔、八田浩輔、平野光芳】

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